【京都市:ひつまぶし 鰻 すみと様】再訪しました
2025.08.31 / 37 view
「関ヶ原たまり」を活用してくださっている飲食店様を訪ね、ご紹介するシリーズ企画。
当社は小さな醸造メーカーですが、お店固有の味、ひいては人々の大切な命を支えていることに誇りと使命を感じます。ご縁やつながりに感謝してめぐる「たまり旅」、どうぞお楽しみください。
暦の上では夏が過ぎ、秋ですが、まだまだ暑さが続いています。そんな日はやっぱ鰻!それもとびきりおいしい鰻を・・・というわけで、少し早起きをして、京都市の〈すみと〉さんへ車を走らせました。
2024年8月のオープンから1年あまり。今日もご主人は真剣な表情で焼き場に立っていらっしゃいました。串打ちされた鰻を備長炭で焼き上げ、たれにくぐらせて・・・。時折、炭火の上に落ちた脂が焦げて、煙が鰻を包み込み、燻製のような作用を果たします。
待つこと20分ほどで、丸いお櫃に入ったひつまぶしが運ばれてきました。今日の鰻は三重県産とのこと。早速いただくと、まず表面はパリッと香ばしく、次にふっくらした肉の厚みを感じます。そして、噛み締めるほどに口の中に広がる、たれのふくよかな香りと味わい。心底幸せな気持ちにさせてくれます。最後の1杯には、あさつきと海苔、鰹と昆布から引いた出汁をたっぷりかけて。この味変もまた、楽しいのです。
ご主人が素材選びに加え「味づくりの要」と話すのが関ヶ原たまり。「たまりは焼くと、味の差が顕著に出るんです。ごまかせない。関ヶ原たまりは嫌なアクが出ないし、くぐらせた鰻のうまみをしっかり吸収するから、この1年でうちのたれはぐっと甘みが増したし、これからもっともっとおいしくなっていきますよ」と胸を張ります。
実は同じ鰻でも、関東と関西で調理法はずいぶん違うそう。関東では背から割きますが、関西は腹から。さらには、蒸す関東に対し、蒸さない関西。〈すみと〉さんのひつまぶしは、ご主人が京都から関東へ修業に赴いたため、鰻を背から割いて骨を取り除き、蒸さずに地焼きという関東・関西の融合スタイです。言われてみれば、口の中に小骨が残らない!それはご主人の丁寧な仕事がなせる技なのでした。
「うちの人、仕込み中に鰻に話しかけてるんですよ。『順番やで。ちょっと待っててな』とか(笑)。ああ、本当に鰻が好きなんだなって」と奥様。あふれる「鰻愛」で理想のおいしさを追求し続ける〈すみと〉さんのひつまぶし、ぜひおためしください。
〈すみと〉さんに行く前に、臨済宗妙心寺派の大本山・妙心寺を拝観。重要文化財に指定されている狩野探幽作の「雲龍図」に圧倒されました。どの位置から見ても龍と目が合うことから、別名「八方睨(にら)みの龍」とも呼ばれているその絵は、完成までに8年を要したそう。まさに命を削るような仕事だったのではと想像します。
境内を散策後、退蔵院で枯山水のお庭を眺めながらの一服も格別でした。
店舗情報
- ひつまぶし 鰻 すみと 様
- 京都府京都市東山区三条大橋東2町目51 B1F
- http://unagi-sumito.com/